「諸国温泉効能鑑」という言葉は明確な定義がないようですが、温泉に関連する各国の温泉効能(特に治療効果)に関する鑑賞や研究に関連するものと考えられます。各国の温泉地には独自の文化や歴史があり、また温泉の治療効果も地域によって異なります。「諸国温泉効能鑑」は、これらの多様な温泉文化を知り尽くし、温泉の治療効果を比較することができる参考資料となります。
最も古い温泉番付として知られているのは「諸国温泉効能鑑(しょこくおんせんこうのうかがみ)」です。温泉番付が初めて作られたのは、江戸時代の寛政年間と云われています。
温泉番付は効能の高さを元にランク付けされている。番付の東西は、大相撲の番付の考え方と異なり、単に東日本の温泉は東に、西日本の温泉は西に番付されている。
対象温泉地紹介
現温泉名 | 西 | 番付 | 東 | 現県名 |
兵庫県有馬温泉 | 摂州有馬の湯 | 大関 | 上州草津の湯 | 群馬県草津温泉 |
兵庫県城崎温泉 | 但馬城の崎の湯 | 関脇 | 野州那須の湯 | 栃木県那須温泉郷 |
愛媛県道後温泉 | 予州どふごの湯 | 小結 | 信州諏訪の湯 | 長野県上諏訪温泉 |
石川県山中温泉 | 加州山中の湯 | 前頭1 | 豆州湯河原の湯 | 神奈川県湯河原温泉 |
熊本県阿蘇内牧温泉 | 肥後阿蘇の湯 | 前頭2 | 相州足の湯 | 神奈川県芦の湯温泉 |
大分県浜脇温泉 | 豊後浜脇の湯 | 前頭3 | 陸奥嶽の湯 | 福島県岳温泉 |
長崎県雲仙温泉 | 肥前温泉の湯 | 前頭4 | 上州湯川尾の湯 | 群馬県伊香保温泉 |
鹿児島霧島温泉郷 | 薩摩霧島の湯 | 前頭5 | 仙台成子の湯 | 宮城県鳴子温泉 |
大分県別府温泉 | 豊後別府の湯 | 前頭6 | 最上高湯の泉 | 山形県蔵王温泉 |
熊本県山鹿温泉 | 肥後山家の湯 | 前頭7 | 武州小河内原の湯 | 東京都鶴の湯温泉 |
空海の開湯伝説の中で最も多いのは、持っていた杖を突いたところから湯が湧き出したというもの。これには、空海は唐で地下水を探す方法を知っていたので、温泉を掘り当てることができたという説があります。
空海、行基が仏教の普及のために諸国を行脚した先々にはたくさんの伝説が残されていますが温泉発見が起こした奇跡として話されても不思議なことではありません。
中世には、僧侶は農村を訪れて農業や治水を指導する役割もありました。医学についての心得がある僧侶も居た。おそらく、僧侶たちによって発見された温泉が有名な空海や行基の神業として、布教に役立てたと考えられます。