湯治療法

湯治の正しいやり方、5つの注意点とは?

湯治の正しいやり方と注意点を紹介します。症状に合わせた方法で行わなければ逆に悪化することもあります。事前に医師や専門家に相談することをおすすめします。

1. 入浴は最大で1日3回を目安に

湯治は、回数が多ければよいというものではありません。特に入浴回数は多くても1日3回が限度です。1回の入浴時間は3~10分程度が適切です。実際には、個人差もありますが額にじっくり汗をかくまでが一つの目安です。

2. 忘れずに掛け湯をする

急に熱いお湯に浸かると心臓に大きな負担がかかります。手や足など心臓から遠いところから掛け湯をはじめ、腰、腹、肩から背へと順に掛けて体の負担を軽減しましょう。また、マナーの面からも温泉を汚さないよう、体が汚れたまま入泉しないことは大切です。

3. まずは半身浴から慣らす

勢いよく全身で浸かってしまうと、一気に血圧が上昇して意識を失うこともあります。まず半身浴をして体を十分に慣らしましょう。心血管や呼吸器官に異常がある方、高齢の方は特に注意が必要です。

4. 入浴後は温泉を洗い流さない

肌に付いた温泉の成分を保つため、温泉からあがる際はシャワーやあがり湯で洗い流さないことをおすすめします。ただし、皮膚の炎症を起こしやすい方は洗い流しても問題ありません。

5. 水分補給は忘れずにしっかりと

入泉中には発汗量が増えるため、血管内に血栓ができやすくなります。入泉前後に水分補給を心がけるようにしましょう。湯あがり後にビールなどを飲みたくなるかもしれませんが、アルコールは利尿作用があるため余計に脱水症状を起こしやすくなるので控える方が安全です。

湯治で体の不調の改善やストレス解消をしませんか

温泉が持つ効能を利用し病気を治療する「湯治」。ひと昔前まではその良さを理解していても、長期滞在のハードルが高くなかなか挑戦できるものではありませんでしたが、最近になって2〜3泊の宿泊でできるプチ湯治が盛んになってきています。試しやすくなった湯治をぜひ体験し、体の不調の改善やストレスを解消してみませんか?

西の小結「道後温泉」

聖徳太子も訪れた「道後温泉」

西の小結に選ばれたのは愛媛県にある「道後(どうご)温泉」です。聖徳太子も訪れた道後温泉は日本三古泉のひとつで、その歴史は3,000年とも言われています。3つの外湯には飛鳥時代をイメージしたものもあり、古き良き日本を感じることができます。

泉質

単純温泉

適応症

【泉質別適応症】自律神経不安定症、不眠症、うつ状態、
【一般的適応症】筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関 節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

禁忌症

【一般的禁忌症】病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い、腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

西の関脇「城崎温泉」

個性のある7つの外湯「城崎温泉」

西の関脇に選ばれたのは兵庫県にある「城崎(きのさき)温泉」です。個性のある7つの外湯めぐりが人気で、レトロな街並みの温泉街は「浴衣に下駄」が似合います。同じ兵庫県にある有馬温泉に江戸時代の番付では負けていますが、現在では人気が逆転しています。

泉質

塩化物泉

適応症

【泉質別適応症】きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症、
【一般的適応症】筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関 節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

禁忌症

【一般的禁忌症】病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い、腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

趣の異なる7つの共同浴場

数ある温泉街の中でも、街歩きスポットが特に充実している城崎温泉は、七つの外湯めぐりがおすすめ。外湯めぐりの狙い目時間は9時~10時、15時~16時、18時~20時

泉質

ナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉

効能


神経痛・筋肉痛・うちみ・慢性・消化器病・痔病・疲労回復 他

夫婦円満・不老長寿、しあわせを招く湯「鴻の湯」

鴻の湯

城崎温泉は1300年前に道智上人が開湯しましたが、「鴻の湯」には城崎温泉のもうひとつの開湯伝説が残っています。昔々、足を怪我したコウノトリが傷を癒やしていた場所をよく見ると、温泉が湧き出していたそうです。これが「鴻の湯」です。

鴻の湯

商売繁盛・五穀豊穣、一生一願「まんだら湯」

まんだら湯

道智上人が一千日の間、八曼陀羅経(はちまんだらきょう)というお経を唱え続けたところ、満願し霊湯が湧き出したのが城崎温泉のはじまりです。その仏縁から「まんだら湯」と名付けられ、昔から建物は唐破風様式となっています。

まんだら湯

火伏防災・良縁成就、 「御所の湯」

御所の湯

南北朝時代の歴史物語「増鏡」に、文永四年(1267年)に後堀河天皇の御姉安嘉門院が入湯された記事があることから、「御所の湯」と名付けられています。

御所の湯

合格祈願・交通安全、開運招福の湯「一の湯」

一の湯

「一の湯」ができた江戸中期、「一の湯」は”新湯(あらゆ)”という名前でした。 “新湯”を一躍有名にしたのが、江戸時代の名医“香川修徳”が書いた「一本堂薬選」です。香川修徳は、「薬選」の中で、「城崎新湯(一の湯)は天下一」と述べています。天下一の温泉だと賞賛された新湯は、「一の湯」に改名しました。

一の湯

子授安産、子授けの湯「柳湯」

柳湯

中国の名勝西湖から移植した柳の木の下から湧き出たことから「柳湯」と名付けられました。
外湯の中では一番小さい温泉ながらも風情があります。

柳湯

家内安全・水子供養、衆生救いの湯「地蔵湯」

地蔵湯

江戸時代、多数の村民が入浴していたことから“里人の外湯”と呼ばれていました。この湯の泉源から地蔵尊が出たので「地蔵湯」という名前がついたそう。此来庭内に地蔵尊を祀っています。

地蔵湯

ふれあいの湯「駅舎温泉 さとの湯」

さとの湯

「さとの湯」は外湯のなかで一番新しい温泉です。駅舎温泉の名の通り、城崎温泉駅の至近距離にあるため、電車の待ち時間にひとっ風呂が実現してしまいます。エキゾティックな雰囲気が漂い、ハーブの香りや滝の音に満ちた不思議な空間です。

東の小結「諏訪温泉」

全国屈指の豊富な湯量「諏訪温泉」

東の小結に選ばれたのは長野県にある「諏訪(すわ)温泉」です。全国屈指の豊富な湯量で、上諏訪には500か所、下諏訪には20か所以上の源泉があると言われています。上諏訪駅のホームにある足湯から大衆浴場まで、さまざまな泉質を楽しむことができます。

泉質

単純温泉

適応症

【泉質別適応症】自律神経不安定症、不眠症、うつ状態、
【一般的適応症】筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関 節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

禁忌症

【一般的禁忌症】病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い、腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

東の関脇「那須温泉郷」

独自の入浴法の「那須温泉郷」

那須温泉郷

東の関脇に選ばれたのは栃木県にある「那須(なす)温泉」です。西暦630年に開湯したと言われている「鹿の湯」は歴史ある温泉で、浸かっては休むを繰り返す「時間湯」や柄杓ですくったお湯を100~300回頭からかぶる「かぶり湯」と呼ばれる独自の入浴法が伝えられています。150カ所以上の源泉数があり、泉質の種類はなんと6種類もあります。

那須温泉

泉質

酸性泉

適応症

【泉質別適応症】アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症、
【一般的適応症】筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関 節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

禁忌症

【泉質別禁忌症】皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症、
【一般的禁忌症】病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い、腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期

日本で32番目に古く発見された「鹿の湯」

1300年もの歴史があり、名前の由来は、鹿が温泉に入って傷を癒していたという言い伝えから。松尾芭蕉が奥の細道の旅の途中に立ち寄った温泉としても知られています。様々な温度の浴槽がある。、明治・大正時代に作られた建物も趣があります。

西の大関「有馬温泉」

日本最古の温泉地「有馬温泉」

有馬温泉

西の大関に選ばれたのは兵庫県にある「有馬(ありま)温泉」です。「日本三名泉」「日本三古泉」とも呼ばれている日本最古の温泉地で、豊臣秀吉がこよなく愛したことでも知られています。有馬温泉では、赤茶色に濁った「金泉」と無色透明な「銀泉」の2種類の湯を楽しむことができます。

公共の日帰り温泉

日帰りで利用できる公共の外湯として、『金の湯』、 『銀の湯』の 2箇所があります。無料の足湯は、 『金の湯』横にございます。

源泉

環境省の指針により療養泉として指定している9つの主成分(単純性温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉)のうち、硫黄泉と酸性泉を除く7つもの成分が含まれており、世界的にも珍しい多くの成分が混合した温泉です。



御所泉源

極楽泉源

有明泉源

炭酸泉源

太閤泉(飲泉場)

妬(うわなり)泉源

天神泉源
泉源

「金泉(鉄分と塩分)」

泉質別の特徴と適応症

冷え性、腰痛、筋・関節痛、末梢血行障害などに効果

感染性皮膚疾患や慢性湿しんに効果

各種アレルギー性皮膚疾患、慢性湿しん、じんましん、傷・やけどに効果

適応症

炎症性および非炎症性のリウマチ疾患、外傷、手術後のリハビリテーション、慢性附属器炎、機能性不妊症、自律神経系障害、乾癬(かんせん)

「銀泉(炭酸)」

泉質別の特徴と適応症

高血圧症、末梢動脈閉塞性疾患、機能性動脈循環障害、機能性心疾患に効果

食欲増進の効果(飲泉)

適応症

高血圧症、末梢動脈閉塞性疾患、機能性動脈循環障害、無治性の傷、手足の局所的循環障害

銀泉(ラドン泉)

呼吸器からのガスの吸入により、全身の組織へ到達し、自然治癒力を高めます。

適応症

硬直性脊椎症、関節の退行性症状、慢性多発性関節症、脊椎の退行性疾患、慢性痛風、関節、筋肉リウマチ、軽度の末梢性動脈血行障害、更年期障害、気管支性ぜんそく

東の大関「草津温泉」

徳川吉宗のお気に入り「草津温泉」

草津温泉

草津温泉と言えば、八代将軍徳川吉宗が湯治のために樽詰めにして江戸に運ばせた逸話が有名です。戦国時代は武将による戦いが盛んな時期で、多くの負傷者が出た、そこで各地の武将が戦いの傷をいやすため、草津温泉に湯治に訪れるようになった。草津の湯に入ると、疲れだけではなく傷や怪我が治るとされ、名湯ぶりが知られるようになりました。

草津の由来は「くさいゆ」という説があるほど強い硫黄臭を放つ特徴のある湯。強酸性で高い殺菌力があり、古くから「恋の病以外なんでも治せる」と云われるほど、数々の不調に効果的とされています。

泉質

酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)

※湯畑源泉

効能

神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症など

禁忌症

急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般的に病勢進行中の疾患、皮膚、粘膜の過敏な人(特に鉱泉過症の人)

草津の伝統「湯もみ」

草津温泉の源泉の湯は50度近くもあり、そのまま引いただけでは浸かることが非常に難しいことも草津温泉の特徴です。そこで考案されたのが六尺板を入れて湯をもみこむ「湯もみ」なのです。
湯もみは板を使ってお湯をかき混ぜるようにすることで、温泉成分を薄めることなくお湯の温度を適温に下げることができる画期的な方法といえるでしょう。

白根神社

白根神社の御祭神は、日本武尊(ヤマトタケル)です。草津温泉を見下ろすように建立されており、草津温泉の発展を支えてきた神社です。白根神社の境内には、草津で最も古い共同浴場「鷲乃湯」の記念碑があり、御朱印がもらえます。

諸国温泉効能鑑

「諸国温泉効能鑑」という言葉は明確な定義がないようですが、温泉に関連する各国の温泉効能(特に治療効果)に関する鑑賞や研究に関連するものと考えられます。各国の温泉地には独自の文化や歴史があり、また温泉の治療効果も地域によって異なります。「諸国温泉効能鑑」は、これらの多様な温泉文化を知り尽くし、温泉の治療効果を比較することができる参考資料となります。

最も古い温泉番付として知られているのは「諸国温泉効能鑑(しょこくおんせんこうのうかがみ)」です。温泉番付が初めて作られたのは、江戸時代の寛政年間と云われています。

温泉番付は効能の高さを元にランク付けされている。番付の東西は、大相撲の番付の考え方と異なり、単に東日本の温泉は東に、西日本の温泉は西に番付されている。

対象温泉地紹介

現温泉名西番付現県名
兵庫県有馬温泉摂州有馬の湯大関上州草津の湯群馬県草津温泉
兵庫県城崎温泉但馬城の崎の湯関脇野州那須の湯栃木県那須温泉郷
愛媛県道後温泉予州どふごの湯小結信州諏訪の湯長野県上諏訪温泉
石川県山中温泉加州山中の湯前頭1豆州湯河原の湯神奈川県湯河原温泉
熊本県阿蘇内牧温泉肥後阿蘇の湯前頭2相州足の湯神奈川県芦の湯温泉
大分県浜脇温泉豊後浜脇の湯前頭3陸奥嶽の湯福島県岳温泉
長崎県雲仙温泉肥前温泉の湯前頭4上州湯川尾の湯群馬県伊香保温泉
鹿児島霧島温泉郷薩摩霧島の湯前頭5仙台成子の湯宮城県鳴子温泉
大分県別府温泉豊後別府の湯前頭6最上高湯の泉山形県蔵王温泉
熊本県山鹿温泉肥後山家の湯前頭7武州小河内原の湯東京都鶴の湯温泉

空海の開湯伝説の中で最も多いのは、持っていた杖を突いたところから湯が湧き出したというもの。これには、空海は唐で地下水を探す方法を知っていたので、温泉を掘り当てることができたという説があります。

空海、行基が仏教の普及のために諸国を行脚した先々にはたくさんの伝説が残されていますが温泉発見が起こした奇跡として話されても不思議なことではありません。

中世には、僧侶は農村を訪れて農業や治水を指導する役割もありました。医学についての心得がある僧侶も居た。おそらく、僧侶たちによって発見された温泉が有名な空海や行基の神業として、布教に役立てたと考えられます。

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