西の大関「有馬温泉」

日本最古の温泉地「有馬温泉」

有馬温泉

西の大関に選ばれたのは兵庫県にある「有馬(ありま)温泉」です。「日本三名泉」「日本三古泉」とも呼ばれている日本最古の温泉地で、豊臣秀吉がこよなく愛したことでも知られています。有馬温泉では、赤茶色に濁った「金泉」と無色透明な「銀泉」の2種類の湯を楽しむことができます。

公共の日帰り温泉

日帰りで利用できる公共の外湯として、『金の湯』、 『銀の湯』の 2箇所があります。無料の足湯は、 『金の湯』横にございます。

源泉

環境省の指針により療養泉として指定している9つの主成分(単純性温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能泉)のうち、硫黄泉と酸性泉を除く7つもの成分が含まれており、世界的にも珍しい多くの成分が混合した温泉です。



御所泉源

極楽泉源

有明泉源

炭酸泉源

太閤泉(飲泉場)

妬(うわなり)泉源

天神泉源
泉源

「金泉(鉄分と塩分)」

泉質別の特徴と適応症

冷え性、腰痛、筋・関節痛、末梢血行障害などに効果

感染性皮膚疾患や慢性湿しんに効果

各種アレルギー性皮膚疾患、慢性湿しん、じんましん、傷・やけどに効果

適応症

炎症性および非炎症性のリウマチ疾患、外傷、手術後のリハビリテーション、慢性附属器炎、機能性不妊症、自律神経系障害、乾癬(かんせん)

「銀泉(炭酸)」

泉質別の特徴と適応症

高血圧症、末梢動脈閉塞性疾患、機能性動脈循環障害、機能性心疾患に効果

食欲増進の効果(飲泉)

適応症

高血圧症、末梢動脈閉塞性疾患、機能性動脈循環障害、無治性の傷、手足の局所的循環障害

銀泉(ラドン泉)

呼吸器からのガスの吸入により、全身の組織へ到達し、自然治癒力を高めます。

適応症

硬直性脊椎症、関節の退行性症状、慢性多発性関節症、脊椎の退行性疾患、慢性痛風、関節、筋肉リウマチ、軽度の末梢性動脈血行障害、更年期障害、気管支性ぜんそく

東の大関「草津温泉」

徳川吉宗のお気に入り「草津温泉」

草津温泉

草津温泉と言えば、八代将軍徳川吉宗が湯治のために樽詰めにして江戸に運ばせた逸話が有名です。戦国時代は武将による戦いが盛んな時期で、多くの負傷者が出た、そこで各地の武将が戦いの傷をいやすため、草津温泉に湯治に訪れるようになった。草津の湯に入ると、疲れだけではなく傷や怪我が治るとされ、名湯ぶりが知られるようになりました。

草津の由来は「くさいゆ」という説があるほど強い硫黄臭を放つ特徴のある湯。強酸性で高い殺菌力があり、古くから「恋の病以外なんでも治せる」と云われるほど、数々の不調に効果的とされています。

泉質

酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)

※湯畑源泉

効能

神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症など

禁忌症

急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般的に病勢進行中の疾患、皮膚、粘膜の過敏な人(特に鉱泉過症の人)

草津の伝統「湯もみ」

草津温泉の源泉の湯は50度近くもあり、そのまま引いただけでは浸かることが非常に難しいことも草津温泉の特徴です。そこで考案されたのが六尺板を入れて湯をもみこむ「湯もみ」なのです。
湯もみは板を使ってお湯をかき混ぜるようにすることで、温泉成分を薄めることなくお湯の温度を適温に下げることができる画期的な方法といえるでしょう。

白根神社

白根神社の御祭神は、日本武尊(ヤマトタケル)です。草津温泉を見下ろすように建立されており、草津温泉の発展を支えてきた神社です。白根神社の境内には、草津で最も古い共同浴場「鷲乃湯」の記念碑があり、御朱印がもらえます。

諸国温泉効能鑑

「諸国温泉効能鑑」という言葉は明確な定義がないようですが、温泉に関連する各国の温泉効能(特に治療効果)に関する鑑賞や研究に関連するものと考えられます。各国の温泉地には独自の文化や歴史があり、また温泉の治療効果も地域によって異なります。「諸国温泉効能鑑」は、これらの多様な温泉文化を知り尽くし、温泉の治療効果を比較することができる参考資料となります。

最も古い温泉番付として知られているのは「諸国温泉効能鑑(しょこくおんせんこうのうかがみ)」です。温泉番付が初めて作られたのは、江戸時代の寛政年間と云われています。

温泉番付は効能の高さを元にランク付けされている。番付の東西は、大相撲の番付の考え方と異なり、単に東日本の温泉は東に、西日本の温泉は西に番付されている。

対象温泉地紹介

現温泉名西番付現県名
兵庫県有馬温泉摂州有馬の湯大関上州草津の湯群馬県草津温泉
兵庫県城崎温泉但馬城の崎の湯関脇野州那須の湯栃木県那須温泉郷
愛媛県道後温泉予州どふごの湯小結信州諏訪の湯長野県上諏訪温泉
石川県山中温泉加州山中の湯前頭1豆州湯河原の湯神奈川県湯河原温泉
熊本県阿蘇内牧温泉肥後阿蘇の湯前頭2相州足の湯神奈川県芦の湯温泉
大分県浜脇温泉豊後浜脇の湯前頭3陸奥嶽の湯福島県岳温泉
長崎県雲仙温泉肥前温泉の湯前頭4上州湯川尾の湯群馬県伊香保温泉
鹿児島霧島温泉郷薩摩霧島の湯前頭5仙台成子の湯宮城県鳴子温泉
大分県別府温泉豊後別府の湯前頭6最上高湯の泉山形県蔵王温泉
熊本県山鹿温泉肥後山家の湯前頭7武州小河内原の湯東京都鶴の湯温泉

空海の開湯伝説の中で最も多いのは、持っていた杖を突いたところから湯が湧き出したというもの。これには、空海は唐で地下水を探す方法を知っていたので、温泉を掘り当てることができたという説があります。

空海、行基が仏教の普及のために諸国を行脚した先々にはたくさんの伝説が残されていますが温泉発見が起こした奇跡として話されても不思議なことではありません。

中世には、僧侶は農村を訪れて農業や治水を指導する役割もありました。医学についての心得がある僧侶も居た。おそらく、僧侶たちによって発見された温泉が有名な空海や行基の神業として、布教に役立てたと考えられます。

Translate »